感性あふれる 写経作品は生命への感謝
「人生の集大成を平成の終わりに」と、書家の赤枝佳代子さん(津山市大田)が3月28日から4月1日までアルネ津山4階・地域交流センターで「写経展~ひとすじに~」を開いた。
般若心経など写経を赤枝さんの感性で美しく書き上げ、奥深い展示会となった。
「色とりどりの用紙は人それぞれの環境だと思っています、一行の文字は人生をあらわしていて、観賞してくださる方の人生を投影させていただければ」と赤枝さん。
南無阿弥陀仏のお題目がまるで浮いて出ているかのような作品「正信偈(浄土真宗)」は、昔は学校などもなくほとんどの人が字が読めなかったという、そんな時代に寺では地抜きにしたお題目を掲げ教えを一般の人に信仰を広めたのではないかと思われる。
「人生の区切りとして、集大成と思い2013年から構想を温めていた、一人で勉強をしながら頑張ってきたものを皆さんに見てもらいたい気持ちでいっぱい。大きな病気も経験しているので、今生きていることが私にとって(成功)です。これからも精進していきたい」力強い決意をあらわす赤枝さん。
約30点の展示作品を、一点一点じっくりと鑑賞していた、同市久米川南のきりえ作家・池田康弘さんは「自分の中の不満などの心を忘れる事ができるような、清らかな気持ちになれた」と感慨深く話してくれた。
「人として生まれ、華の如く舞い そしてひとすじに生きる」赤枝さんの作品には、生命(いのち)を受けている事への感謝と、それを支える信仰心にあふれている。
(取材ライティング・武本明波)