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第4回美作国万灯会

6月29日 本源寺万灯会

「今年も万灯会の足音が聞こえる頃となりました。
今年は、約6000灯のあかりを灯したいと思います。
この灯火が、津山藩初代藩主・森忠政公と奥方・お岩様をはじめ、美作国すべての祖霊を偲ぶとともに、美作国の未来を照らす灯火になればと祈りを込めて、精一杯勤めさせていただきます。
皆さまどうぞお参りください」と津山市小田中の本源寺・華山義道和尚。




日本における「万灯会」の始まりは、約1270年前、奈良の金鐘寺で数多くの灯火をともし、仏様やご先祖様をまつり供養したとされる。

津山では、慶長12(1607)年、5月3日にお岩様が逝去され、その年の初盆に同市桶屋町、吹屋町から本源寺の墓所まで、お岩様を慕う町民の手によって万灯会が行われたのがはじまり。
翌年には吉井川南岸から町中をともしたといわれる。




寛永11(1634)年に、忠政公が逝去されてからは、忠政公とお岩様の2人の供養のために万灯会が行われ、天和3(1683)年、忠政公の50回忌の年まで76年間続けられた。
忠政公とお岩様がいかに津山の人々から慕われていたかを、うかがい知ることができる。

それから333年ぶりに、2016年に再興し、今回が通算80回、再興4回目となる「美作国万灯会」が6月29日に行われるにあたり、多くのお参りを呼び掛けると同時に、いっしょに活動していただけるボランティアを募集している。




「すでにあんどんなどの作成には取りかかっていますが、まだまだ人手が足りないので、少し空いた時間に本源寺でお手伝いしてくださると嬉しいです」と同寺の奥様・順子さん。

手作業から、簡易な庭の仮設の池づくりまでボランティアの作業内容はさまざまだが、まるで歴史をタイムスリップしたかの仕上がりになるので、一人でも多くの人に参加していただき歴史に思いを馳せてはいかがだろう。
 昨年初めてボランティアに参加したという、廣田勤さんは「津山城を中心として栄えた城下町津山に住み暮らす者として、森家の菩提寺である本源寺で鶴丸をろうそく彩る万灯会に携われることに喜びを感じています」と話す。
「色々準備はありますが、簡単な作業ばかりで誰でも参加出来ます。
とても綺麗で幻想的なイベントなので、作り上げた感動もひとしおです。是非制作側として参加してみませんか」と呼び掛けている。




お参りする事もさることながら、準備などに参加して得る達成感は何事にも代えがたいので、ボランティアに参加してみてはどうだろう。

ボランティアは随時募集しており、お寺の中では、あんどんづくりや、ろうそくの芯立など細かい作業もあるが座ってでき、仲間と話しながらの楽しい作業となる。
屋外での作業は、ろうそくの印をつけたり当日ろうそくを並べるなどがあるが、「これから暑くなってきますが、無理のないように交代や休憩をしながら楽しく仲良く作業します」と順子さん。




お参りやボランティアについての問い合わせは、
本源寺(0868)㉒7351。
(取材ライティング・武本明波)

本源寺 臨済宗、妙心寺派
津山市小田中1373。
津山藩初代藩主・森忠政公の菩提寺として有名。津山の寺院では初になる、国指定重要文化財に指定(平成25年8月本堂、霊屋、庫裏、中門と霊屋表門)。

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