山根文恵さん
出会いは7月26日から29日までの「いろいろぐみ展」。
県北の女性6人による作品展だ。山根さんはワークショップの準備をしていた。
物静かな女性。話しかけていいのかな。ずいぶん迷ったのだが、作品の写真を撮った後「何をされているのですか?」と尋ねてみる。
もくもくとテーブルで作業をしていた山根さんが目線を合わせてくれた。
「私の作品は、(えこくらふと)です」。
たくさんの色とりどりのバッグが並ぶ。バスケット(かご)のような感じ。
「楽しみながら短時間でできますよ。仕上げまで2~3日くらいかな」山根さんは、バッグをたくさん持って来て見せてくれた。
どれも軽くて持ちやすい、夏のちょっとしたお出かけや、浴衣姿にも合いそうなバッグは、紙バンドで作る。
12本がくっついて販売しているというバンドを自分の作品のイメージで、1本に、2本に、4本に、6本に・・・と下準備。色々な風合いが楽しめ、素材の発色も情熱的な真っ赤や落ち着いた黒や、茶、ブルーひとつ見ても濃淡が楽しめるものさまざまだ。
小さい頃から、手芸が好きで、編み物やクロスステッチ、などを楽しんできた山根さん。
(えこくらふと)など手芸にのめりこむきっかけになったのは、お子さんが美作大学付属幼稚園に通園していた頃で(えこくらふと)作品は2005年から手がけた。
裁縫が好きな保護者仲間で作品を作ったことを聞いたとき、私自身の子どもが同幼稚園に行っていた時も、パッチワークがじょうずな方たちから教わった記憶が・・・幼稚園の先生たちもお母さん方の特技や楽しみのために裁縫や手芸の時間を作ってくれていたような感じ。
私自身は裁縫や針仕事が苦手だったが楽しい時間がよみがえって来た。
「まちで見かけた人が私の作品をもってくれていたのは、とてもうれしかった。また、ピアノ発表会に講師の方が皆さんにご褒美としてプレゼントにしてくれたバッグを子どもさんが持っているのを見た時には幸せを感じました」と笑顔で話す。
学校などの学級Pにも出張講座をしているので気軽に問い合わせてみるとよい。
2015年の、第24回かみわざ大賞では「キッズ☆バースデイパーティー」と題した作品が「新生紙パルプ商事賞」を受賞したことも。
紙わざ大賞は「紙」を使用し自由な発想での創作をテーマとしたペーパーアートのコンペティションで全国から応募される権威ある賞。
子どもの誕生日パーティーをイメージし、食事やテーブルコーディネートなどはすべて紙でできている。
パスタやケーキ、テーブルクロスやテーブルを飾る花、プレゼントなど全て紙を使った作品で全国の仲間たちと受賞したことは山根さんの大きな励みになった。
「夢中で制作しているうちにデザインが変わったりする面白さもあり、紙バンドでの作品は無限大です、そして紙は無限の材料、創造力をかりたてる材料です」そういう山根さんに今後の夢を聞いてみた「畳一畳分のモザイクアートを作ってみたい、その他に長年の夢があるんです」。
「なぎなたで使う防具とか、なぎなたを作ってみたい」え?山根さん実は、今月のインターハイに出場する美作高校なぎなた部の監督。
9月の終わりころには国体にも部員3人出場する。(詳細は別記事で)
自分の夢をかなえようと、努力する山根さん。ストレスを作品作りやなぎなたに向け、明るく地道に取り組む山根さんを心から応援したい。
(取材ライティング・武本明波)