アットタウンWEBマガジン

地域のこども達の創造力を磨くために

UneLabo 畝岡俊隆さん

 約半年前から、津山市で少し変わった塾を開いている畝岡俊隆さん。
変わった塾の内容は、ヒューマンアカデミーのロボット教室だ。これを津山市内でフランチャイズ運営している。
アットタウンでは、本来営利事業の取材は、なるべく避けるように心がけているのだが、今回は敢えて畝岡さんの紹介をしたい。





 畝岡さんのロボット教室の内容は、教材のキットにあるブロックを用いてロボットを造り、様々なモーターとギアを駆使しロボットを動かすというもの。
まずは、ギアの機能や役割とモーターの性質などの労力をその伝達方法について基本的なレクチャーを行う。




基本を理解した後に、キットにあるマニュアルを基本として組み立てるのだ。まだ最初は独創的な発想が少なくてもカリキュラムはこなせる。それが、プログラムが進むにつれ、自由度が増し、求められる独創性が増えていくというものだ。
現在、どこにでもあるものを使用して、新たな物を創り出す発想を育てる教材だ。





比較的、価格の安い汎用部品だけを使い、発想の転換で低価格で高機能な商品を創り出すことは、今の日本人に最も欠けているものだ。そのため、日本の開発する商品は、価格という最大の付加価値を手放してしまっているのが現状だ。
このような状況を変えるために、こども達にもっと創造力を磨いてもらいたいとの思いがあるのだそうだ。




 実は畝岡さんは、この塾を開く前に教育委員会の後援をとり、クラウドファンディングで資金を集めて、こども達に電子チップの面白さを伝えるようなキットも作っている。
それは、津山城で行われた竹水鉄砲合戦で標的となる頭につけるポイを電子チップで作ったものだ。電子ポイに水が当たれば、色が変わり音が鳴る。分かりやすく電子部品を使ったモノづくりの楽しさを伝えることを目的にしたものだ。




 今行っているロボット教室も、クラウドファンディングで資金を集めて作った電子ポイも、こども達にモノづくりの楽しさを知って欲しいという思いで行っている。
ロボット教室は、フランチャイズの固定金と、生徒にそれぞれかかる料率金や家賃、光熱費などを足すと30人程度の生徒が集まって、自身の人件費を除く経費が賄えるくらいにしかならない。




人件費を含めて、採算ベースに乗せようとすると、50人以上の生徒を集める必要がある。津山のような規模の街では、そもそも採算が合わない可能性が高い事業だということも分かっている
それでも、畝岡さん自身が経費を持ち出してまで塾を運営しているのは、地域を担うこども達の自由な発想を育てたいとの強い思いからだそうだ。




 畝岡さんが津山にいたのは高校までで、約4年前に娘さんの大学進学に合わせて、高松から早期退職制度を利用し、津山にUターンで帰ってきたのだそうだ。
それまで、電子部品の設計の仕事をしていたという。いま日本では、各メーカーが商品に特化した専用の半導体チップを生産し、汎用性があるチップは少ないのだ。それは裏返せば、汎用性のある半導体チップの需要が少ないことが原因なのではないか。
畝岡さんは、県北は農業や林業などの一次産業が多く、さらに高齢化する中で体力的に従事できない人が増えてくるだろうと考えている。




そのような中で、一次産業の作業の補助をするような、必然性があるものを作れるだけの創造力をもつ人を育てたいのだそうだ。
地域のこども達に、モノづくりに興味を持ってもらうことで、衰退が続く故郷、津山の将来の活性化に繋げたいというのが、畝岡さんの夢だそうだ。
「いつか自分の塾から育った生徒が、協力しながら生活を便利にするようなものを作ってくれれば最高だと思うんです」という畝岡さんの話が印象に残る。





そのためにも、少しでも多くの生徒が集まり、畝岡さんの負担が少なくなり、更には、その生徒が、モノづくりに対する思いを理解してくれ、地域に貢献する人材へと成長してくれることを願いたいと思う。
今後も大変だろうが、何が何でも畝岡さんには頑張って欲しい。





この記事を見て、畝岡さんのロボット教室に興味がある人がいれば、直接、問い合わせて頂きたい。

連絡先は次の通り。
TEL:080-5098-9801
e-mail:toshitaka.uneoka@gmail.com

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