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能登半島地震発生時の震災対応について 2(全4回)第1回

衆議院議員 内閣府大臣政務官 兼 復興大臣政務官
平沼正二郎氏 寄稿


災害対応は100点満点を取ることは困難なものですが、限りなく100点に近づけていく事が重要です。その為には過去の災害の教訓を生かし、準備態勢を整えていくことが必要です。現在、能登半島地震における振り返りを行っており今後の災害に対して対応能力の強化を行っております。具体的には今回の災害対応を行った関係省庁からヒアリングし自主点検レポートをまとめました。初動対応がどうだったか、様々な連携機関との相互連絡体制がうまくいっていたのか、また新たに活用された新技術がどのように役にたったのかなど多岐に渡る検証がされております。また、関係省庁だけではなく、ボランティアはじめ、様々な機関が災害府現地に派遣され活動を行いました。いくつか事例をあげますと、医療を行う災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Team の頭文字をとって略して「DMAT(ディーマット)」や、看護活動を行う災害支援ナースや、避難所などでのリハビリテーション活動を行う(JRAT(ジェイラット): Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team)等です。災害対応の振り返りにおいてはこのような民間の団体の皆様からもヒアリングを行い、課題の抽出とそれに対する対応を検討しております。ある例を挙げますと、今回避難所にスピード感をもってダンボールベッドを手配いたしました、しかしながら現場がどのような状況であったかをヒアリングしたところ、ダンボールベッドも様々な種類のものが避難所に届いていたようでそれにより困難が発生していた状況も分かりました。まずダンボールベッドといっても品質が様々で耐久性が必ずしも十分でないものがあったりしたようです。また規格が種類ごとに異なっており、そうすると当然組み立て方も種類によって違い、組み立てと設置に時間がかかってしまう事もあったようです。こうなると労力もかかりますし当然時間もかかります。また仮設トイレなども仕様や衛生基準が異なっており、避難所によって差が出るなどの状況も発生いたしました。このことを受けて現在、規格の統一化や防災認定適正制度などできないか検討をしております。
このように大小様々な課題の解決と、また災害がどこかで発生した時に同じ課題が発生しないようにするためにマニュアルの整備などを進めております。


(次号へ)


※このコーナーでは『平沼正二郎』氏の寄稿文を、原則、原文のまま掲載しています。

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