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津山市街地から北方に約12㎞、JR因美線美作滝尾駅がある。

のどかな田園地帯が東に広がるその一角にあり、昔ながらの駅舎が残され今なお現役で活用されている。

私も特に好きなスポットであり、たまに行ってはこの懐かしい雰囲気に浸っている。




開業日は昭和3(1928)年3月15日。

当時はまだ鳥取・東津山間の因美線は全線開通しておらず、因美南線、美作加茂-東津山-津山間が開通したのを機に開業した駅であり、今日にまで築90年ほどになる。

ここより下り一つ目の駅、高野駅も同時に開業している。

駅名は当初は滝尾駅としたいところであったが、既に九州・大分県大分市に豊肥本線の滝尾駅が存在していたため、規定に従いこの地域の旧国名を頭につけて命名されたのである。




駅舎は木造平屋建てでほぼ開業当時のまま残されている。

この形態の建物は他の因美線の駅、高野駅、美作加茂駅、知和駅、美作河井駅などとほぼ共通しており、皆ほぼ同時期に建設されたことを示している。

1995年には映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の冒頭シーンで登場しているのはあまりにもよく知られているところである。

待合室には当時の撮影時の写真が掲示されている。

2008(平成20)年には貴重な近代化遺産として国の登録有形文化財となった。
国内でも大変貴重な美しい駅舎、いつまでも残して後世に語り継いでいってほしいものである。


(赤坂健太郎)

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