日本三大平山城の一つとして知られるご存じ津山城。
小高い丘陵を巧みに利用し数多くの櫓や門、そして天守などを建造した江戸時代初期の城郭遺構として全国的にも知られるものである。
津山城といえば何といっても石垣の見事さが思い浮かぶ。
城の周りにびっしりと築かれた石垣。
その魅力には圧倒されるものである。
さてこの石垣、現地でよく観察してみると、実は場所によって積み方というものが異なっているのをご存じであろうか。
今回ではこの点に着目してみたいと思う。
その間にはいろいろな積み方の技術が施されている。
津山城の石垣の積み方には大きく3つのパターンが見られる。
古いものから①②③と表記する。①は野面積み。加工していない自然石を積んだもの。
②は打ち込み接ぎ。
荒割した石を表面のみノミ加工したもの。
③は切り込み接ぎ、ほぼ四角く加工した石を積んだもの、といったものである。
時代的には①→②→③というような時代の変遷を追うことができる。
さて場所によって積み方が違うと述べたが、大まかに見ると①の積み方は本丸周辺のみ、②は本丸から二の丸、三の丸にかけて、③は主に三の丸の周辺に見られるといった傾向が見られる。
次号では、城内になぜこういった傾向が見られるのかについて述べてみたいと思う。
(赤坂健太郎)