真庭市久世には久世上町、中町、下町と旧出雲街道で栄えた町の風情が残っている。
耳をすませば旭川のせせらぎも聞こえる久世下町は不思議な空間だ。
毎年10月下旬に行われる久世祭りでは「だんじり喧嘩」で白熱し多くの市民や観光客でにぎわうが、普段は昔からの商家や町家、教会が昔の風情をたたえながら静かにたたずんでいる。
そんな久世下町で代々豆腐店を営んでいる鈴木さん宅がある。
創業約70年の永田豆腐店。
代々製造卸、小売りをしている。
四代目・鈴木尚さんは地元でも評判の豆腐料理店「白寿庵」を切り盛りする。
われらがアットタウン編集長・福原広おすすめの店だ。
「うまい豆腐料理を出すところがあるから、すぐに取材に行け!」との電話は福原が豆腐料理をいただいたその日のうちにというから、よほどのことだろうと早速取材依頼のお電話をさせていただいたところ、店長の尚さんが明るく快諾してくれた。
国産の大豆を使ったゆば膳ランチをいただく。
ゆばは何年か前に京都旅行に行ったときに食べたことはあったが正直嫌いだった。
それが覆された、舌触りが絶妙でとても柔らかい、そのゆばを千切りにして出汁でいただくゆばそば、手作りポン酢をかけただけの生ゆばポン酢、さしみゆば、ゆばギョーザとゆばだけでも何種類ものラインアップに舌鼓を打つが、それだけでは終わらない。
「桶出し豆腐」の甘いことに驚き、出来立てのほんわか暖かい不揃いに救った豆腐は醤油などの調味料は一切いらないほどの甘さで、揚げ出し豆腐の衣のカリカリ間の中で柔らかい豆腐の食感、絶品だ。
寒い時期にはあんかけ豆腐御膳もある、共に1080円というリーズナブルなお値段で提供している。
鈴木尚さんご夫婦とご両親で伝統を守りながら作っている豆腐や油揚げなどは、白寿庵のほかにも久世・勝山の三金や、マルイアルティ店、あぐりガーデンなどで販売している。
尚さんは白寿庵、豆腐製造と同じくらい町おこしにも熱が入る。
真庭市の誇る伝統的建造物、旧遷喬尋常小学校でのなつかしの学校給食やイベントの企画などにかかわる「まちづくり市民応援団・まにワッショイ」のメンバーとして久世の町の灯を消さないように後継者がいない店舗などを団体で引き継ぎたいと古民家の管理運営などを真剣に考えている。
一度ふるさとを後に都会に出ていた尚さんをここまでの気持ちにしてくれたのは「仲間のおかげ」という。
まにワッショイで尚さんがリスペクトしているのは同じ久世地域で鮮魚店を営む岡田健さん「決して人の悪口を言わない、いつもニコニコと気さくでほがらか、ぼくたちのオアシスのような人です。
そんな岡田さんのようにいつも笑ってみんなに喜んでもらえる人になりたい」という。
岡田さんも尚さんに「今のままの鈴木君んでいてほしい、今の町おこしや仕事に関しての思いを持ちづつけてほしい」とエールを送った。
鈴木尚さんとお話し岡田健さんともお話させてもらって、久世の町はもっともっと元気になるだろうと心から思った。また「まにワッショイ」に関連した記事をぜひとも皆さんにご紹介したいと思った。
わが編集長をうならせ、ゆば嫌いだった私を一食のゆば御膳で大好きにしてくれた白寿庵のランチは12時から14時。夜の部は一品料理などお酒のつまみになるものも多彩だ。
「お客さんは地元の方から、単身赴任で真庭に来られた方など色々、口コミで広がっていくことがとてもうれしいです」と尚さん。
事前にお願いすれば、まにワッショイでの仲間のパティシェ・大西舞さんの「おとうふケーキ」も用意できるので要相談だ。
白寿庵 真庭市久世2872
電話(0867)42-0228