趣味も仕事も徹底的に
津山市大田のピアノ工房アムズに入ると、一番に目に飛び込むのが赤いバイク「ホンダクラブマン250」。
あれ?
ここはピアノ?
工房?
だよね。
そう、演奏の録音ができるというスタジオにも、ピアノと並んで「ヤマハRZ250」1980年初期モデル2サイクルでとても珍しい逸品が存在感を示している。
ピアノ工房アムズ代表取締役の松岡一夫さんの趣味のひとつははロードバイク。
このたびの免許更新で限定解除をしてビッグバイク免許を取得するつもりだという。
「まだ北海道に行ったことがないんです」と笑顔を見せるが、創業27年を迎える輸入ピアノなど販売、調律など、ピアノにまつわるすべてをサポートする。
ピアノ工房アムズの代表取締役として旅をする暇もないほど忙しく時間を駆け抜けてきた。
読者の皆さんのご家庭にも、眠っているピアノはないだろうか?
家で一番良い部屋の片隅におしゃれな装飾品の置き場として棚代わりになっているのではないだろうか。松岡さんはそんなピアノに愛をもって接している。
お子様の思い出が詰まったもの、ご自身が弾いていたが弾く機会がなくなったもの、新品で購入したピアノは家族にとって大きな買い物であったと同時に大きな思い出や夢が詰まったものととらえてていいだろう。
ピアノ工房アムズでは持ち主の思いも含めて、効率的なピアノの在り方と向き合ってきた。
美作地域も今、ピアノはレンタルの時代。
導いたのは松岡さんに他ならない。
ピアノだけではなく各種ギターなどの買取りやリペアの相談にも乗っている。
ベヒシュタインなど輸入ピアノには、思い入れも深く、輸入物を考えているお客様には、東京のショールームを案内し、試弾を心行くまでしてもらい、一番気に入った物をおすすめするという。
特注しようと考えているお客様の相談も歓迎、お客様の様々なニーズに対応している。
またピアノの買取りや査定などもしているので弊誌の広告を見ていただきたい。
音楽活動に没頭し若者もステージに立つ機会を
若い頃には自身の作ったバンド「スペシャルプロジェクト」でオリジナルサウンドに没頭。
ヤマハロックフェスで大阪城・野外音楽堂での演奏経験もある。
津山市で仕事を始めてからは、鶴山さくら太鼓創設にも尽力、好きな音楽には常にかかわっていきたいという松岡さんは、地域で音楽活動をしている若者たちを応援し支え続けている。
弊誌発行日の1月12日には鏡野町ペスタロッチ館夢ホールで竹内彩佳さんのピアノリサイタルが行われる。
松岡さんのかかわったベヒシュタインが、ドビュッシーやショパンなど感動の音を奏でることだろう。
昨年12月に還暦を迎えたご自身も、ギターやボーカルなど精力的に演奏活動、2月22日には戸川町の「フォーク酒場たる」で気の合う音楽仲間たちとコンサートを予定している。
息子に事業を引き継ぐ
事業を息子の恭兵さん(26)に仕事を任せる段取りにかかってる。
今までの事業を引き継ぐとともに革製品などクラフト製品の制作にも取り組む息子さんを見守りながら「これから好きなことを徹底的にしたい」と言う笑顔はとてもはつらつとしている。
「何もかも徹底的」と言い切る松岡さん。
「この人は男性にも女性にもモテる人だな」そう感じた、真っ正直に、誠実に。
各所のピアノ講師にも演奏家にも頼りにされている松岡さん。
息子さんに事業を引き継いでいってもかっこよく地域の若者のお手本になる存在であってくださいね。
(取材ライティング・武本明波)