1655年ころ、2代目津山藩主「森長継」により津山藩別邸庭園として造営されました。
このように大名によって造営される庭園を大名庭園と呼び、新たな築城や改修が禁じられてからは、城郭の防衛を強化するため、曲輪の代用として作られたり出城として造営されてきました。
津山城(鶴山)は、東部は断崖絶壁と宮川を挟んだ山があり麓には東寺町と呼ばれる寺町を造営し防御に備えてあります。
南部は川幅の広い吉井川、西部は藺田川があり、さらに西寺町で防衛してあります。
そして北部を防衛するために造営されたのが衆楽園で、当時の面積は約74,700平方メートルと現在の3倍の面積があり、3つの巨大な池を配するなど、広大で津山城の防衛施設として申し分のない規模を誇っていました。
小堀遠州流の造園師を招いて築庭させた池泉回遊式の大名庭園で、京都の仙洞御所を模して造られています。
庭園の大半を長い池が占め、池には四つの島が浮かんでおり、北の中国山地を借景として、北の池は東と北の築山に迫られるように置かれています。
その東側には全長200メートルを超える曲水が設けられ、雅な世界を演出しています。
そして、南側は海に見立てられた池が雄大な景観を醸し出しており、その周りに余芳閣、迎賓館、風月軒、清涼軒といった往年の建築が復元されています。
庭園全体を通して、庭石や灯籠といった人工物は少なく、木々や庭石などの自然を上手く演出してあり、人出も比較的少なく落ち着いた佇まいが楽しめます。
仙洞御所(せんとうごしょ)を模して造られました。春の桜、夏の睡蓮、秋の紅葉、冬の雪景色など、四季折々の景観美を楽しむことができます。現在は無料で一般開放されています。
2002年に旧津山藩別邸庭園(衆楽園)」として国の名勝に指定されています。
所在地: 津山市山北628
電話: 0868-32-2082
(ライティング:星護 禄胤)